5月の定点調査に行ってきました。カーミージー探検隊から数えて、カーミージーの海は連続3日目です。


今日もいい天気です。


外洋水が入る場所には、わずかながらモズクが生えていました。来年は、もっと増えるといいな〜。


海草藻場のいたるところに、ゴカイ類の卵塊があります。新月だからかな。ゴカイ達は、畑のミミズと同様に、海底の砂を食べて耕し、干潟が腐らないような働きをしています。


海草藻場のいたるところで、岩がひっくり返されています。とりあえず元に戻すと、すでに表面の藻の一部が腐って、黒くなってます。


元に戻した岩の表面を、エリアシアワツブガニが歩いていました。


藻場の砂の表面に、点々と白い物が見えます。拾ってみるとカワラガイ。どれも壊れた様子がなく、死にたての感じ。タコは巣穴のまわりに貝殻を捨てているのをよく見かけますが、それとは違う感じ。貝殻が壊れていないので、カニとかに食べれれたのでもなく。暑さで死んだのかも。


沖縄なので赤瓦?


潮溜まりの浅瀬でうずくまってるケブカガニがいたので、近づいて写真を撮ってみました。目の上のまつ毛?がかわいい。


浅瀬のキクメイシ類はすでに白化が始まり、あまり元気がありません。何度も復活した形跡があるので、何とか頑張ってほしい。


浅いイノーの海草藻場で見つかるクモガイのほとんどが、若い個体。まだトゲが伸びておらず、背中側には海草も生えるので、ただの石ころのよう。クモガイに見えないので、潮干狩りの難を逃れて生き残っているのだろうと思います。りっぱなトゲを持った大人の個体は、もうほとんど見つかりません。頑張って、生き延びてほしいと思います。


浅瀬に付着して移動できないメンガイも、あちこちで死んでいます。これも白くてよく目立つ。生きているのも、よ〜く探すと見つかるのですが、ほとんど石みたいなので、なかなかみつけられない。貝殻の内側がまだきれいなので、死んでからそれほど時間が経っていません。去年の夏も、死にたてのメンガイの貝殻を、沖縄の各地の海岸で大量に見つけました。今年も、高水温の影響が出始めているようです。


サンゴ礁には、冷たい地下水が湧出している場所がいくつかあって、そこは濁りもなく、冷たい水を求めてやってきた生き物で溢れていました。海草もサンゴも、この周囲だけは、数も種類もいくぶん多いようです。温暖化が収まるまで、海の中のオアシスとして、多くの生き物を守ってほしい。


岩をひっくり返して見たら、イモガイの卵嚢が見つかりました。近くにこの貝がいたので、サイズ的に見てこの貝が産んだのだろうと思います。もちろん、岩は元にもどしておきました。


サンゴ礁の沖まで行くと、点々とキクメイシ類が生き残っています。でも、サイズは小さく、その殆どが同じ種類。


フトユビシャコがこちらを見ています。右目に黒い点が3つ見えますが、彼らは片方の目で同時に3カ所から立体視することができるようです。このため、片目でも距離がある程度つかめるはず。シャコパンチを繰り出す前に、彼らはこの特殊な目を使い、両目できちんと距離を測ってから攻撃します。


暑さに弱いミドリイシの仲間も、サンゴ礁の縁の所には、僅かながら生き残っています。頑張れ!


ソフトコーラルは、カーミージーの干潟では滅多に見ません。干上がる場所の沖の方の、スロープになった辺りには、たくさんいると思います。


潮干狩りを楽しむ人々も、たくさんいました。よく見ると、クモガイは貝殻が分厚く、長生きしてきた個体のよう。卵を産めるサイズの大人の貝を獲ってしまっては、個体数が一気に減少してしまいます。これからは、生き物の数の変化をモニタリングできたらいいのだけれど。


今回はじめて気づいたのですが、岩の上に生えているハイコナハダ??が、殆ど全部白くなっています。今までも、一部が死んで白くなっているのは見たことはありましたが、岩場一面が白く死んでいるのは異様な光景。あるいはもしかして、暑すぎて、表面が乾燥して白っぽく見えてるだけ?? もしこれだけまとまって死んでるとしたら、他の藻類も、数や種類が変化しはじめているかもしれません。そうであれば、藻類を食べる多くの生き物にも、何らかの変化が現れることになるでしょう。

 地球温暖化は、サンゴ礁の生態系を、これまでとは異なる環境に変えつつあるようです。今までいた生き物が減る、あるいは北の方に分布の中止が移動する代わりに、南方から熱帯性の生き物がやってきているのでしょう。今度海に行く時は、南方からの移住者を探してみたいと思います。