自由研究も、いよいよまとめの段階です。
まずは、自分の観察や実験から得られた結果を組み合わせて、考えをまとめましょう。

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  自分の巣穴を守るため、顔とハサミで入り口を塞いでいます。

 

さて、まとめの文章を書く前に、実験や観察でわかったことを箇条書きにして、
自分がしらべたことの全体が見渡せるようにしましょう。
この時も、結果のところでも書いたように、実際に見たこと(結果)と、
自分の中で考えたこと(考察)を、きちんと分けて書いておきます。

 例:へんなのがたくさんいた。  赤い小さいのが動いていた。  

どこが、どのように、どのくらい、「へんなの」かな。
いつ、どこが、どのように、どのくらい、「動いていた」のかな。
 → これがきちんと書けると、「なぜへんなのか」「なんのために動くのか」
   いままで以上にくわしく考えることができます。

たくさんとは、100匹?1000匹? 小さいとは、1センチ? 1ミリ?
 → 数字で示すと、グラフや表にして比べられます。

最初に、結果と考察を分けて書くことで、この実験とこの観察の、
この結果とこの結果を組み合わせると、こんなことがわかる!と言うふうに、
初めて読む人にもわかりやすく伝えることができるようになります。

実験や観察の結果を説明するときに、説明の文章だけでは伝わりにくいと思ったら、
数字をグラフや表にしたり、動きや関係が分かりやすいイラストにしてみましょう。

例えば、木の高さとセミの数を同じグラフに重ねて描いたとき、
背の高い木にはセミが多ければ、2つのグラフは同じように増減するでしょう。
逆に、どの木にも同じだけのセミがいれば、木の高さとセミの数のグラフは
増減が対応していなことが、目で見てはっきりとわかるようになります。

ここで、同じ数字を、グラフと表の2つで示す必要はありません。
自分が説明したいこと相手に伝わりやすい方だけで十分です。

さて、実験や観察のそれぞれの結果をまとめて、総合的に考えて得られた結論は、
最初の仮説と合っていたでしょうか。
違っていたなら、どうしてでしょうか。自分がやった実験や観察の結果を組み合わせて、
まずは自分なりに理由を考えてみましょう。
仮説と違っていたなら、それは新しい大発見かもしれません。
もし、実験のやり方を間違っていたことがわかっても、
別のやり方で実験したと考えることで、ここでも新しい発見があるかもしれません。
そうでなくても、なぜ失敗したかが分かれば、
次からは失敗せずに研究を進められるようになります。

セミが集まるのはこれだ!!!と決定的な事を言うために、
自分のやった実験や観察ではどうしても足らない….と思ったら、
次の新しい実験や観察を計画して、さらに自分なりに確かめてみましょう。
あるいは、どうしても自分で確かめられないことについては、
図書館で本を調べて、情報を集めることもできます。

自分で何もしないで、本やインターネットから書き写すのは、
研究の始まりの基本的な情報を集めるのには役立ちますが、
自由研究とは言えません。
最初からあまりたくさんの情報を詰め込むと、
思い込みの原因にもなりますから、
興味があることが見つかったら、まずは本物を見て、
じぶんなりにやり方で確かめてみましょう。

柔軟で新しい考えが、新しい発見を生み出します。