沖縄大学の講義「生物保全 II」では、「沖縄の生き物を守っていくために、あなたにはどんな事ができますか?」という問いを出しました。1時間ほどの間に、学生さんたちは、すぐにできそうな事からすでにやっている事、そして将来の可能性まで、思い思いに答案を書いてくれました。
 以下は、「ごみ問題」に関する記述を抜粋したものです。この中には、いつまでも「ごみ」が減らない理由や、「身のまわりのごみ」を減らしていくために必要な事について、予算や手間を理由に後回しにしていたこと以外に、これまで私たちが気づかなかった新たな視点や考え方など、解決のヒントが隠されているように感じます。
 ちょっと長いのですが、身のまわりのごみ問題に関心のある方は、頑張って読んでみてください。


• ごみ問題が深刻なのは、沖縄や日本だけかと勝手に思っていたが、世界中で大きな問題になっていることは知らなかった。それに、海に漂うごみの責任の押し付け合いをしているのは、とてもびっくりした。責任がどこにあるのか、確かめるのはとても大変だと思う。けれども、今確かめる必要がどこにあるのか、責任がなかったら何もしなくてもいいのか?と思いました。安易な考えかもしれないが、海に漂うごみを処理するのはかなりのお金と人手がかかる。お金は戻ってこないだろうが、それで得られるものもあると思う。国と国とで協力してやれば、話が早いだろうと思いました。いつまでも利益争いしていたら、まず地球がなくなるぞと思いました。

• 私は新潟の出身なので、幼い頃から自然と触れ合うことが多く、地元の自然を守りたいという気持ちが強く、積極的に海・川・山や公園などのごみ拾い、塩害を防ぐための防風林を植える行事に参加した。しかし、沖縄に来てからは、どこか他人事で、エコツアーやごみ拾いなどの行事があっても、参加しなかった。恐らく、他県だから自分がしないでも住民たちがすると思っていたのかもしれない。しかし、1年、2年と生活していくうちに、沖縄の生活が楽しくなり、今まで気にしていなかった川の汚れ、道の端にあるごみが気になってきた。それからは、ごみ拾いは当たり前だが、観光客や住民でポイ捨てをしている人がいたら、声をかけることもしている。まだ男の人や恐そうな人には難しく、仕方なく私が拾ってごみ箱に捨てることも多々あるが、私がしていることは悪い事ではないので、もっと堂々としようと思う。そのためには、もっと沖縄のことを学び、私にできることを改めて考えて行動し、それを大学の友人、地域の友人などにも発信していくことも、今の私にはできることだと思った。

• 沖縄の生き物を守る為かは分からないが、ごみ拾いなどを積極的に出来たらと思う。あとは、ポイ捨てへの注意など。私のバイト先の近くの喫煙所には、ごみ箱もあり、灰皿もあるのに、なぜかタバコがポイ捨てされます。本当に意味がわからないし、喫煙していない人からしたら迷惑でしかないので、今度見つけたら聞いてみようと思う。(中略)自動販売機の台数が沖縄は多いので、自動販売機を設置した場所には、必ずごみ箱を置くことへの義務化なども必要になってくるのではないだろうか。ごみ箱が増えることについては、手間もかかるし、ネコや鳥などにも荒らされる可能性などもあるが、ポイ捨てなどにより、川が汚れたり、動物が食べたりするよりは良いかと思うので、ごみ箱の増加が一番良いと思う。