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潮間帯のカニ類 その2
更新: 2007年07月06日 14:21

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  クモガニ科 Majidae

モクズセオイ Camposcia retusa

別名モクズショイ。
体表を覆う、先の曲がった剛毛に、
カイメンやイラモを着けてカモフラージュ。

 

モクズセオイ Camposcia retusa

イソギンチャクの下に隠れていた。
ハサミにはカイメンを着けず、
体の下に折り畳んでいる。

 

ワタクズガニの仲間 Micippa sp.

体表面を覆う、先の曲がった剛毛に、
千切った海藻を着けてカモフラージュ。
岩の表面に張り付いている。

 

ワタクズガニの仲間 Micippa sp.

ひっくり返してみたところ。
脚の影に緑色の小さなハサミが見える。
額角の形状を見ないと種同定は不可能。

 

イッカクガニ Menaethius monoceros

潮だまりの藻類に棲む。
褐藻には茶色の個体が、
緑藻には緑色の個体が多い。

 

クモガニ科のカニは、三角形の体に
クモの様に細長い脚を持つ。

動きは緩慢で、前にも歩く。

甲には、先の曲がった剛毛を
持つ種が多く、様々なモノで
カモフラージュしている。

他のカニと異り、
ハサミは甲の背中側まで届く。

よく知られた仲間としては
ズワイガニやタカアシガニがある。

   
  ヒシガニ科 Parthenopidae

ムラサキゴカクガニ Echinoecus pentagonus

ガンガゼ類の肛門内部に寄生する。
普段、外からは額角の先だけ見えている。

 

ムラサキゴカクガニ Echinoecus pentagonus

左の写真の拡大。色はもっと濃い紫色。

 

   
  コブシガニ科 Leucosiidae

マメコブシの仲間 Philyra sp.

甲表面の顆粒の並びは特徴的だが、
文献が無いので同定できず。

 

コブシガニ類は、
堅くて丸い甲、
小さな眼、
細長い鉗脚、
細くて短い歩脚で
前方に歩く。

大浦湾のセダケコブシ
(未記載)は、新種だと
思うのだけど...。

   
  ガザミ科 Portunidae

タイワンガザミ Portunus (Portunus) pelagicus

ハサミや脚が青紫色なのは雄。
雌は下の写真の様な色合い。

 

タイワンガザミ Portunus (Portunus) pelagicus

雄は、カニのフンドシが細い三角形。
内側には2本の交接器が収まる。
このフンドシは、腹部が退化したもの。

 

タイワンガザミ Portunus (Portunus) pelagicus

一見雌に見える色だが、
これは雄の脱皮殻。
甲が外れているので、簡単に
骨格の内部を見る事ができる。

 

タイワンガザミ Portunus (Portunus) pelagicus

ひっくり返すと雄だとわかる。
脱皮により、眼の表面、胃の表面、歯、
鰓、筋肉内のスジまで更新される。

 

サメハダヒメガザミ Portunus (Cycloachelous) granulatus

甲幅5mm程度のまだ小型の個体。

 

サメハダヒメガザミ Portunus (Cycloachelous) granulatus

正面下側から見たところ。

 

ベニツケガニの仲間 Thalamita sp.

ベニツケガニ類の分類は、
眼の間の棘の数と形、
眼の後の棘の並びと大きさ、
甲を横切るラインのつながり方が重要。

 

ミナミベニツケガニ? Tharamita crenata ?

二尾が向かい合って交尾中。
雄は、雌が脱皮して甲羅が柔らかい時に
交尾を行う。
雄は雌の貯精嚢に精子を渡し、
雌は産卵しながら受精させる。

 

ベニツケガニの仲間 Thalamita sp.

ベニツケガニ類の多くは、
潮がひいている間は 石の下に隠れている。

 

眼の後に並ぶ棘が左右それぞれ9つあり、
甲の形が菱形に見えるのがガザミ類。
棘が6つあって六角形に見えるイシガニ類。
棘が5つあって、長方形に見えるのが
ベニツケガニ類。

ガザミ科のカニ類は、
一番後の歩脚が団扇状になり、
これを使って泳いだり
砂に潜ったりする。

 

   
   
 
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